厭世百合日記

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『ゆりゆり』 あの巨匠が描く温かい百合ストーリー集

『ゆるゆり』ではありません、『ゆりゆり』なんです。

書店で百合コミックを探していたら、『ゆるゆり』の隣にぽつんと一冊置かれていました。

「これ、パチもんか?」なんて思いつつもちょっと興味があったので手に取ってみたらびっくり、なんと作者はなもりさん、『ゆるゆり』と同じです。

「ごめんなさいパチもんだと思いました」というお詫びの気持ちで購入しました・・・

と言うのは冗談で、表紙や裏表紙から、このコミックは『ゆるゆり』のような長編ではなく一冊完結の短編集であるということがわかり、私の好みに合いそうだと思ったんです。

待ちきれずに帰りの電車で読み切りましたが、これは本当に良いものを手に入れてしまった!

『ゆるゆり』を読んだ人も読んでいない人も楽しめる一冊でした。

同人誌版『ゆるゆり』

なもりさんと言えば大人気連載漫画『ゆるゆり』の作者です。

『ゆるゆり』は日常の中でゆる~く、まったりとした百合を描いた作品ですよね。

私自身、『ゆるゆり』はTVアニメの一期しか見ていませんが・・・

『ゆるゆり』が『コミック百合姫S』での連載が始まったのは2008年のこと。

その同じ時期になもりさんが同人活動として出稿していたのが『ゆりゆり』です。

『ゆるゆり』が季刊誌の連載が前提となっていたために長編路線を取っているの対して、『ゆりゆり』あくまで同人誌シリーズとして出されていたため、ストーリーが一冊完結となっています。

しかし、形は違えどなもりさんが描いた作品なので作風は『ゆるゆり』と同じでゆる~い百合。

両作品に直接的なつながりは無いので、『ゆるゆり』を知らない人でも100%楽しめる一冊です。

ストーリー構成

前述のように同人誌ごとにストーリーが完結しているため、一迅社から出版されたコミックでは『ゆりゆり』シリーズ全5作品と、その後の話を描いた『ゆりゆりアフター』が収録されています。

それぞれの作品ごとに異なった登場人物が出てきますが、共通点としては舞台が高校であることと結末が概ねハッピーエンドであること。

だいたいメインの登場人物が2人出てきて(先輩後輩だったり同い年だったり)様々な過程を乗り越えて最終的にはその二人が結ばれるストーリになっています。

そして、それぞれのストーリーを読み終わった後に待っているのが、『ゆりゆりアフター』で、こちらはシリーズ1~4の後日談です。

魅力

何と言っても、ゆるい日常の中にも起承転結のある百合を楽しめる点に尽きますね。

こういう日常の中で、仲良しの二人がだんだんお互いの”女の子としての”魅力に惹かれ合っていくところを味わうのが好きなんですよ!

短編集だと、中だるみが無くストーリーがきれいにまとまるのでテンポよく読み進めることが出来ます。

結末がハッピーエンドっていうのが、悪く言えばワンパターンなんですが、読んでいてそれが全く気になりません。

これってやっぱり登場人物に感情移入が出来るからではないでしょうか。

感情移入が出来るキャラって実は結構大事で、長編になってくればそれだけキャラの粗というか負の部分もどうしても出てきてしまうので・・・

この作品がキャラに感情移入できるのは、ひとつは短編であること、そしてもう一つは限られた尺で登場人物の可愛らしさを全面に描いていることにあると思います。

そういう意味でもなもりさんの百合作家としての才というかポテンシャルを感じますね。

『ゆるゆり』の方も読みたくなりました。

まとめ

『ゆるゆり』や、もっと言えばなもりさんのファンだったら絶対に読みたい一冊です。

一つ一つの話が非常によくまとまっていて、読後感がすっきり。

さすが百合界の巨匠!って感じですね。

やっぱり短編集にハズレ無し、そう改めて感じさせてくれました。

というわけで、頭を空っぽにして百合を味わい尽くしたい人、温かい気持ちになりたい人、報われる百合を楽しみたい人、そんな人には自信を持って「読め!」と言える一冊です。