厭世百合日記

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仲良し以上の関係へ、不器用で真っ直ぐな想いを描く『女の子のいちばんやわらかいところ。』

百合の短編集って本当に良いですよね。

『エクレア』のレビューでも書いたんですけど、ストーリーが簡潔でいて美しいオチ。

短いストーリーなのに、印象に残っている話も多いです。

今回の、宮田ワルツさんの『女の子のいちばんやわらかいところ。』もそんな百合短編集の一つで、1ページ1ページ楽しみながら読むことが出来ました。

 

どんな話?

不器用で素直なののが、いつも一緒にいた、だらしないけどいつも明るい不破先輩に思わず自分の気持ちを伝えてしまってから、二人の高校卒業までのほのぼのとした日常を描いた表題作『女の子のいちばんやわらかいところ。』

誰からも愛される一ノ瀬苺と、いつもクールでどこか物憂げな神原いばらが学校の屋上で互いに素の姿で交流する『バラといちご』

クラスの人気者のありすが事あるごとに根暗で目立たない存在の詩にキスを迫る、コミカルでちょっと切ない百合『キス魔イリップス』

 

こんな人におすすめ

ほのぼのとした百合が好きな人

収録されている作品はいずれもほのぼの系の百合で、登場人物たちの戯れをゆったりとした時間の中で拝むことが来ます。

しかし、まったりな中でもストーリーに起伏があり、非常に充実した一冊です。

 

短編が好きな人

これ、短編の作品を紹介する度に書いている気がしないでもないが・・・。

とにかく、短編の百合作品が好きな人にはおすすめです。

短いストーリーの中に魅力が沢山詰め込まれていますから。

 

みどころ

『女の子のいちばんやわらかいところ。』

とにかくののちゃんの先輩愛がすごい。

そして先輩もちゃんとののちゃんの気持ちに気づいていて・・・。

収録作品では唯一時間の流れというのが描写に入っていますが、不破先輩が卒業した後に残されたののちゃんも注目したいところ。

最後の1ページまで楽しめる作品です。

 

『バラといちご』

売れっ子芸能人と、学校であまり馴染めていない子っていう組み合わせが良いですよね。

いばらは他の人間と違って苺に対して「可愛い」と安易に口にしないし、苺を魅力的だとも思っていません。

だからこそお互いに学校の屋上で本心をさらけ出すことが出来るんです。

そして、苺はもちろん、そういうことには興味がなさ気だったいばらも段々と互いに惹かれていくのです。

 

『キス魔イリップス』

この話は明確にテーマが作中で示されていたので、感じることも多かったです。

「誰かの特別になる」ってことはこの上ない嬉しいことである反面、自分への自信がないと不安要素にもなってしまいます。

キス魔のありすとそれを拒み続ける詩とのコメディの裏にはこういった事情もあるようです。

 

まとめ

みどころ、と言っておきながら各話の感想に近いものになってしまった・・・。

しかしネタバレはしない程度に魅力をお伝えしたつもりです。

私は本当に百合の短編集が好きで、今回も何かの縁で購入したものだったのですが、いざその良さを伝えるとなると難しい。

とにかくすごく良い一冊だったので、今回の記事を通して少しでも興味を持ったならぜひ!