厭世百合日記

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【最新刊レビュー】『やがて君になる』5巻の特典・みどころ・感想など

本日、『やがて君になる』5巻を購入してきました!

公式アナウンスだと26日の発売とあったんですが、どうやら昨日の午後から早くも店頭に並んでいたみたいですね。

というわけで、早速レビューの方をしていきたいと思います。

後半の項目にはネタバレ要素を含んでおりますので、注意されたし。(ネタバレを含む項目については※ネタバレ注意と記述しておきますね。)

『やがて君になる』の作品そのものの紹介はこちらでまとめているので、作品をまだ知らないという方はどうぞご覧ください。

www.yuri-nikki.com

 

5巻までのあらすじ

まずはこれまでのあらすじを振り返っておきましょう。

誰かを”特別”に思う気持ちがよくわからないという主人公の小糸侑と、そんな侑に好意を抱いた生徒会長の七海燈子との関係を描いた物語でしたね。

前巻では、文化祭で生徒会劇の復活に向けて動き始めました。

侑のクラスメイトの叶こよみによって脚本が仕上がり、生徒会メンバーは夏休み返上で劇の練習。

学校で合宿もやって、侑と燈子と沙弥香の3人が互いに意識しあって

「三人でよかった・・・」

なんて言ってたのもこの時です。

で、燈子は生徒会劇を復活させることで自分をお姉さんの代わりなるんだと思い詰めていました。

そんな燈子の姿をみて侑は、燈子を変えてやるんだと決意して、同時にこよみにシナリオの書き換えをお願いするところまでストーリーが進みます・・・。

 

みどころ

燈子を変えようとする侑

前巻で提示された新たなテーマが、誰のための自分になるのか?です。

5巻ではこのテーマについて、劇のシナリオと燈子を照らし合わせて物語が進行します。

自分をお姉さんの代わりの存在としか受け入れられない燈子に対し、侑はどのように接していくのでしょうか。

二人の関係の変化、そして侑の想いに注目です。

劇のシナリオ

4巻で示唆された劇の結末の変更も今回の重要なポイントです。

既にこれは燈子のための劇であると認識している侑がシナリオ変更にかける想いとは?

そして燈子はどう受け止めるのか?

このあたりも今回の主題となりそうです。

侑と燈子以外の人物の心境

この作品は、侑と燈子の二人だけではなく、その周りにいる色んなキャラクターたちの心情や行動もストーリー上で大きな影響力を持っています。

今回も彼女らを囲む人物たちの動向が気になるところです。

 

店舗特典

今回はアニメイトで購入しました!

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アニメイトでは、(多分)描き下ろしのアクリルスタンドつきの限定セットが販売されていたので、こちらを購入。

その他、表紙のイラストをしようしたブロマイドや、(多分)描き下ろしのなにか。

かなりボリュームがありますね。

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アクリルスタンドを立ててみました。

作中の季節はバリバリの夏ですが、アクリルスタンドでは時期に合わせてか、コートに身を包む二人が描かれています。

これもすごく可愛らしい。

 

ネタバレ前のまとめ

というわけで5巻もすごく進展のあるストーリーでした。

『やが君』って刊行ペースがだいたい年に2回位なんですけど、本当にストーリーが毎度毎度深くてめちゃくちゃのめり込める。

だから次巻がもう待ち遠しくて!

こうやって待っているときもワクワクするので好きですけどね。

まあ何年何ヶ月でも待つので、6巻にも期待しています。

次はどんなストーリーになるんだろうか。

そんな想像を掻き立てられる5巻でした。

というわけで、まだ買っていない方はぜひ買って読むべし!

そして悶絶してくださいね。

というわけでひとまずのまとめはここまで。

ここからはネタバレ要素を含んだ感想を書いていきますのでご注意を。

おまけ

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同日に発売された百合アンソロジー『エクレア bleue』も購入しました。

こうして並べると2つとも夏をイメージした青々とした表紙。

でも青の由来が異なっているのも面白い、面白くない?

 

感想 ※ネタバレ注意

さて、ここからは印象に残った描写などをピックアップしつつ、ダラっと語っていきますね。

思いつくがままに書いていくので、読みづらいかも・・・。

沙弥香と侑

個人的に一番印象に残っている場面です。

二人とも燈子に最も身近な人物として、時には互いに嫉妬し、しかし時には本当の燈子を知る者同士意気投合する場面もあって、結構好きな組み合わせです。

さて、5巻ではそんな二人に大きな差が生まれてきましたね。

「(どうして佐伯先輩は賛成してくれたんですか?)」

私の願いも小糸さんと同じだからよ

燈子に変わってほしい、なのにどうして

その願いを伝えるのが私じゃなかった。

私は拒絶されるのを恐れた。

あの子の特別にはなれなくても

「特別でない大勢」の中の一番でいれたらいいと

燈子がいつか変わるまで

その日をただ待って

私は恐れた

小糸さんは踏み込んだ

私は沙弥香の、こういった自分を客観的に回顧できる点は好きです。

ここで言う「踏み込む」ってのはもちろん、燈子が姉の代わりとして生きることを否定することで、その一つの手段として劇のシナリオを変えようとしています。

侑と沙弥香にこのような差が生じてしまったのは、皮肉にも燈子と過ごした時間の違いでした。

沙弥香は入学式の日以来、燈子にすっかり魅了されていました。

燈子に近づこうと、一歩一歩距離を縮めてきたのです。

だからこれまで積み上げてきた関係が崩れるのを嫌うわけで。

対して侑は燈子と出会うや否や向こうから距離をグッと縮められ、しかも彼女には色々と腑に落ちない点があると。

だから燈子に対して恐れずに突っ込んでいけるわけです。

沙弥香がヘタレってわけじゃなくて、侑が特殊すぎたゆえに後れをとってしまう結果に。

だからってわけじゃないけど、私は沙弥香を応援したくなりますね。

とてもいいキャラだと思います。

燈子は誰のものにもならない

そのままでいい

そのままでいて

そのままでいてくれる間は

私が一番そばにいられるんだから

これは2巻の沙弥香の心情ですが、今の沙弥香が振り返ったら果たしてどう感じるんでしょうか。

劇のシナリオ

生徒会劇のシナリオも、侑の提言で書き換えられることになりましたが、これももちろん燈子を変えるため。

当初の結末は、三者が求める自分の生き様に対して、恋人のそれを選ぶというものでしたが、紆余曲折を経て、記憶喪失後の今の自分を認めてくれる看護師と出会い、そこで誰かになって生きるのではなく、今の自分として生きるという道を見出すというものに変わります。

当然、燈子はこのシナリオに反対しますが、今まで自分に力を貸してくれる存在だった侑や、沙弥香までもがこのシナリオで行きたいと言い始めると、燈子はいよいよ追い詰められてしまいます。

シナリオの看護師のような存在は現実にはいないと思っているんですね。

そして、作中クライマックスのシーン、屋上にて。

「わたしも佐伯先輩も先輩の友だちもみんなお姉さんのことなんか知りません。

先輩しか知らない。

友だちでいたいとか

助けたいとか

頼りにしてるとか

それ以外も全部。

お姉さんじゃなくて先輩に向けた気持ちです。」

「お姉さんみたいになるためにずっと頑張ってきたのは先輩です!」

ここでの侑は、まさに劇のシナリオに出てくる看護師のような存在となったのです。

さらに言うと、今の燈子の生き方を決して否定しているわけじゃない。

お姉さんを目指して必死で頑張っているのもまた七海燈子であると、侑は言い切ります。

こういうことが言えるのはやっぱり燈子の一番近くで彼女を支えてきた侑だからでしょう。

さて、ここからの燈子は自分を、そして侑を信じて劇を成功へと導くために再び前を向きます。

その結末は果たして・・・。

 

まとめ

ほんとうはもっといっぱい書きたいんですが、これ以上は収拾がつかなくなりそうなので、今回はこのへんで。

今回も色々と考えさせられましたね。

本当に読み応えのある作品です。

また次も楽しみだ~。