厭世百合日記

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容姿端麗の美少女と控えめな女の子の奇妙な関係『フラグタイム』

さとさんと言う方が描いた『フラグタイム』と言う作品。

百合漫画といえば百合姫コミックや電撃コミックってイメージがあるんですけど、珍しくこの作品はチャンピオンコミック(秋田書店)から出版されている百合漫画です。

それに気になって、ってほどじゃないですけど買って読んでみたらかなり面白い内容になっていて、ぜひ他の百合紳士・百合淑女に読んでいただきたく紹介記事をこしらえました。

 

どんな話?

クラスに馴染めず独りぼっちの日々を送っていた森谷美鈴は、ある時から、自分以外の時間を3分間だけ止める力を持っています。

しかし、そんな美鈴の能力に唯一割って入ってきたのが、容姿端麗でいつもみんなの中心にいるような存在である村上遥。

今まで直接関わることのなかった二人の、ちょっと変わった関係を描いた物語です。

3分間だけ、あなたのこと好きにさせて?

誰とも関わりたくない、関われない。

人付き合いが苦手な美鈴。

ある日、クラスいちの美少女・村上さんに秘密がバレてしまってー?

連載時から話題沸騰、衝撃作がコミック化!!

 

裏表紙より 

 

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こんな人におすすめ

  • 制服百合が好きな人
  • 非日常的な百合が読みたい人
  • キャラクターの気持ちを深読みするのが好きな人

 

みどころ

美鈴の能力

この作品の大きな特徴なのが、主人公の森谷美鈴が使える「3分間だけ周りの時間を止められる」力の存在です。

純粋な百合作品ではあんまりお目にかかれないSF的な要素が、この作品では物語の核として登場します。

森谷美鈴と村上遥とを結びつけるものも、彼女らのストーリーを動かすのも、そして物語の真相も、全て美鈴の能力。

美鈴というのはもともと人付き合いに消極的で、クラスにもあんまり馴染めていない存在です。

そんな彼女にとって時間停止能力というのは唯一、他の子たちに対して絶対的に優位に立てる貴重なもの。

そして彼女が、カースト上位の村上遥に近づけるたった一つの方法・・・。

物語の中で、美鈴のこの力がどのように二人を動かすのか、そしてその結末とは。

私さ、ずっと考えてたんだけど

森谷さんが時間止めても私だけなんで動けるのかなって

私に興味もったからなんじゃない?

同じ時間を私となら共有したいって思ったんだよ

森谷さんは私のこと好きなんだよ

突拍子も無い行動

主人公の森谷美鈴とは全く正反対の人物として描かれているのは村上遥です。

しかし、時間を止めている時、つまり二人っきりになった時に見せる彼女の姿はとても普段からは想像できないものでした。

普段は誰からも好かれる村上遥と、時間が止まっている時にだけ見せるひどく開放的な村上遥。

物語を通して、村上遥とは一体どんなキャラクターなのか?という問いが美鈴を悩ませます。

気の迷いかもしれない

カン違いかもしれない

時間が止められること

利用されているだけかもしれない

それでもいい

村上さんが好き

美少女優等生が主人公にだけ見せる別の姿・・・というのは百合作品では王道中の王道。

しかしこの作品の美鈴はそれを素直に喜ぶことはできません。

そこには彼女の人付き合いにおける姿勢が出ているのですが。

二人の行く末に注目です。

二人を取り巻く環境

この作品の舞台はあくまで高校です。

当然、遥の友達や担任の先生、それに男子だっています。

物語の大半は学校の中で進んでいくわけで、そうなると普段は美鈴と遥は全く違う立場にいるわけです。

要するに、時間停止中以外に二人を結びつけるものがないんですよね。

特に遥はクラス中から注目を浴びている人物ですから、普段の美鈴は近づくことすらできない存在。

それどころか自分と一緒にいると遥の評判を落とすのではないかとすら考えてしまいます。

時間停止中の二人っきりの描写、それと普段の学校の中での二人の描写。

はっきりと対照的に描かれているので読んでいて面白いかと。

 

まとめ

今回の作品は結構内容に踏み込まないと面白さが伝わらないと思い、ちょこっとだけネタバレを含んでしまう形にはなってしまいましたが、重要なところはちゃんと伏せているから大丈夫なはず・・・。

これに関しては既読者向けにちゃんとレビューやら思ったことやらを書いてみたいかな。

それだけ読み応えがあるのと、ある種わかりにくい作品でもあります。

だからこそラストのシーンがとても読んでいて面白くなるんですよ。

もう一度読み返したくなるんですよね。

読む上で大事なのは、キャラクターの心情変化と美鈴の時間停止能力がどういう意味を持っているかと注目することだと思います。

心情の裏付けはラストでちゃんと明かしてくれるからそこは安心していいかと。

上下巻で完結するので、読み切りにはそんなに苦労しません。

ただ、量以上に充実している内容なのでぜひじっくり読んで考えてみてください。

私もまだ理解できないところ多いんですけどね・・・。

というわけで『フラグタイム』、おすすめの一冊です!