厭世百合日記

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厭世百合日記

切ない百合を読みたいあなたに『ストロベリー・フィールズをもう一度』

突然目の前に美少女が現れて「あなたの未来の恋人です」なんて言われたら、あなたはどうしますか?

 

夢のようなシチュエーション?

それとも困惑か、迷惑か。

 

今回紹介する『ストロベリー・フィールズをもう一度』はそんなテーマを私たちに投げかけてくれる作品です。

設定としては様々なジャンルの作品でよく見られるようなものですが、今回は一筋縄ではいかない、ちょっと切ない百合が楽しめます。

 

どんな話?

「恋愛は二次元に限る」と確信して疑わない紅野晶は、乙女ゲームの中に自分の恋人像を求め続ける日々を送っています。

そんなある日、彼女が出会ったのは容姿バツグン、スタイル抜群の女の子。

桜坂純愛と名乗る美少女が告げたのは、自分は未来から来た晶の恋人(アモーレ)という衝撃の事実でした。

「恋愛は二次元に限る」

「私は3次元の恋愛なんて一生しない」

そんな乙女ゲームが好きな晶の前に突然現れた転校生・純愛。

彼女は晶に大真面目に「わたくしあなたの未来の『恋人』ですわ!」

と告げるのだった―。

凸凹コンビによる”友達以上恋人未満”な甘酸っぱい青春グラフィティ(!?)開幕♪

 

裏表紙より

 

こんな人におすすめ

  • 切ない百合が読みたい人
  • 誰かに引っ張られる恋愛モノが好きな人
  • 人間的成長描写を楽しみたい人

 

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未来の恋人という設定

主人公のもとに突然現れた「あなたの恋人」と名乗る美少女・・・。

誰しもが一度は憧れるようなシチュエーションではありませんか?

紅野晶の前に現れた桜坂純愛もそんな場面で召喚された女の子です。

わたくし・・・

7年後の未来から来たんです

『恋人』である晶さんの願いを叶える為に

容姿端麗、スタイル抜群の彼女はたくさんのクラスメイトに囲まれています。

でも、彼女は一途に晶のことを思い続けており、常に晶と一緒にいることを望んでいます。

ときに、晶のことを悪く言う連中に対しては凄まじい様子で圧力を掛けていくことも辞さないのです。

そして晶もまた純愛との出会いによって大きく変わっていきます。

 

紅野晶というキャラ

『ストロベリー・フィールズをもう一度』という作品を紹介するにあたって、主人公の紅野晶がもつ魅力について語らない訳にはいきません。

彼女の性格や考え方こそがこの作品を面白いと感じさせる一番の要素です。

恋愛は二次元だけ

彼女はあることから、三次元での恋愛はありえないという考えを持っています。

そのため、いつも乙女ゲームに没頭する日々。

純愛が、自分の未来の恋人であると告白してきても、自分は男でも女でも三次元では恋愛をしないのでそれはありえないと一蹴するほどの徹底ぶりです。

恥ずかしながら私も恋愛は二次元にのみ求めてしまうもので、彼女の主張にはとても共感してしまうんですよね。

だから彼女が純愛との出会いを通してどのように変わっていくのか非常に興味深く感じるのです。

もしもリアルで運命的な出会いをしてしまったら、どうなってしまうのか?

私と同じように、リアルの恋愛に絶望している人にはおすすめ(?)の一冊といえます、多分。

 

人間的成長

やっぱり大事なのは、純愛と出会うことによって晶にどんないいことがあったのか、というところです。

意味のない出会いなんてありませんから。

そういう意味では晶にとってかけがえのない出会いであったということが出来ます。

それは決して純愛自身が特別な存在だから・・・というのではなく彼女との出会いがトリガーとなって起こった出来事に価値があるからです。

純愛と出会うまでの彼女は乙女ゲームに向き合ってばかりでした。

それが純愛との遭遇で否が応でも3次元を直視せざるをえない状況になります。

すると途端にリアルでの人付き合いという大きな問題とぶつかることになる。

元々人付き合いは苦手だったけど

母さんが死んでからはいろんな事がさらにどうでも良くなってしまった・・・

私に友達なんかできるはずないし

でも晶にとってプラスだったのは側に純愛が付き添ってくれることです。

結果、例えば、今まではクラスから浮いた存在だった晶に、声をかけてくれるクラスメイトがチラホラと現れ始めます。

純愛との出会いによってなしえた晶の人間的な成長

これもやっぱり読んでいて面白いと思うところです。

 

二人の距離感

最後に、二人の距離感についても面白く描写しているので触れておきます。

何度も言うとおり、純愛は「晶の恋人」として未来からやってきます。

そして作中の時間でも、純愛は晶に対して恋人(アモーレ)として接していきます。

これに困惑するのは三次元の恋愛はしないと決めている晶の方です。

そもそも晶は純愛と面識があったわけではありません。

それでも晶を第一に考えて行動してくれる彼女には段々と好感を持つことになり、純愛は晶にとって大切な「友達」となっていくのです。

しかしこれは晶を「恋人」と思っていた純愛にとっては・・・。

知っていた都合よく無視していた

『友達』と言えば喜んでくれるなんて

どうして思ったんだろう

距離が縮まるがゆえに二人をより悩ませていきます。

その中で彼女らはどんな答えを見出していくのでしょうか。 

 

まとめ

切ない系の百合は本当に読み応えがあって、そして色々と考えさせられますね。

本当に最近の電撃文庫は名作ぞろいで・・・。

ストーリーの構造が本当によく出来ていて読めば読むほど深みが出る作品です。

何と言っても主人公が自分と重なりますから。

リアルの恋愛に絶望している人がある日運命的な出会いをしたら、相手が本当に自分のことを考えてくれる人だったら、それでも拒絶してしまうのか。

それとも身を委ねるのか。

じゃあそもそも恋愛とは何なのかと。

こう、色々と思考がめぐる作品です。

自分の中の問いに対して一種のヒントをくれそう。

それと、控えめな子を引っ張ってくれる女の子ってすごく憧れます。

早く続きが読みたい、とても。

というわけでおすすめの一冊でした。