厭世百合日記

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【おすすめ百合漫画】行進子犬に恋文を

『私は君を泣かせたい』をはじめ、愛読している百合漫画がこのところ次々に終結に向かってしまい軽く喪失感に襲われてしまってる筆者。

しかしその一方で応援したくなるような新作もちらほら出てきた。

今回紹介する『行進子犬に恋文を』もその一つで、ユニークな世界観と、軍服が似合う少女たちが売りの作品だ。

百合姫コミックスの作品って個人的にどっぷりハマれるものが少ないんだけど、こればっかりは早く続きが読みたくて待ち遠しい。

 

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あらすじ

舞台は近代、女性将校を育成する「陸軍女子幼年学校」。

田舎から出てきた少女・犬童忍は、入学早々、高圧的な上級生・加賀美藤乃と出会う。

高飛車な普段の態度とは裏腹に、時折犬童にだけ優しさを見せる加賀美。

犬童はそんな加賀美の姿に心惹かれていくが・・・。

 

1巻裏表紙より

 

読み切れない心の距離

この作品は主人公の犬童忍と、彼女の上級生(指導役)である加賀美藤乃の二人がメインに話が進んでいくが、その出会いは運命的なものとは程遠い。

ハイカラな町を興奮気味に走り回る少女は、ふと軍服を着た「陸軍女子幼年学校」の生徒と出会う。

しかしその軍服の子は、少女の浮浪児のような格好を見るや容赦のない蔑みをぶつけてくる。

じゃあな ノラ犬

加賀美藤乃

いうまでもなくこのみすぼらしい格好をしたのが主人公の犬童で、軍服の女の子が加賀美だが、犬童は銭湯に入って身なりを整えるととんでもなく可愛い女の子となる!

どれだけ変わったかと言うと、幼年学校の入学式で二人が再会したときも加賀美が、友人に指摘されるまでわからなかったほど。

そんな犬童と加賀美、やはりというかお互いに距離を測りかねている様子だったが、交流を深めるに連れて犬童は気づく。

加賀美は犬童と二人きりのときだけは良き先輩として気にかけてくれるのだ。

廊下で会うと「夜はしっかり眠れているか」と心配し、勉強で悩んでいるときには目指したい自分を見つけろと諭してくれる。

 やっぱり・・・二人だと違うんだ

二人だとこの人は・・・優しんだ

犬童忍

心の距離感をドカンと突き放されたと思ったら時にグッと縮めてくる加賀美。

奇妙な関係の中で犬童はどう気持ちが動いていくのか、また加賀美の言動にはどんな意味があるのか。

ほろ苦くも優しい二人の関係は一読の価値あり。

 

面白くも謎が多い舞台背景

この作品の一番の特徴と言えるのがその舞台設定にある。

まち並みは戦前戦中を思わせるレトロなつくりで、通りを歩く者の多くは和服に身を包んでいる。

そんな街の中に「陸軍女子幼年学校」なる軍学校が存在し、そこの生徒が軍服をまといながら表を徘徊している。

ざっと作品世界のアウトラインはこんな感じ。

しかし突き詰めてみるとわからないことも多くて、例えば女子の将校がなぜ存在するのか(一般将校との立場関係はどうか)、そもそも描かれている舞台は果たして日本なのか、キャラを取り囲む社会情勢はどうなっているのか、などは語られていない。

それだけではない。

登場人物に関しても謎が多くて主人公の犬童のことでさえ、田舎で世話になったおばさんの存在が示唆されているくらいで、加賀美に至っては出自や学校に入った目的も不明だ。

一見すると何もわからない世界だが、そこで営まれているのは年頃の女の子の日常生活。

起床ラッパや厳しい教練など、ちょっと変わったものではあるが、彼女たちの立ちふるまいやセリフからは他の日常系で見られるようなほのぼのとした雰囲気も感じ取れる。

そんな謎に包まれた舞台から始まる少女たちの日常はちょっとトンチンカンで時にシュールだ。

自分なりに作品世界の謎を推察しながらストーリーを楽しむのもいいかも。

 

表紙で惹かれる軍服と女の子の相性のよさ

とまあここまで理屈っぽく色々述べてきたが結局の所表紙の犬童ちゃんが可愛い。

これに尽きる。

ミリタリ系の美少女作品ってこれまでいくつも見てきたけど、ここまでかっちり決まった軍服姿の女の子って意外と見たことなかったかも。

ある意味このジャンルの中では正統派とも言える。

それと、同じ軍服でも着用するキャラによって印象がずいぶん変わってくるところも注目したい。

スラリとした背格好の加賀美が着るととてつもなくかっこよく映るし、抜けたところの多い犬童が着ると可愛げのある様相を演出する。

とにかく誰が着ても映える。

表紙を見て「おっ、」って思った人はまず買って読んでみて損はない。

あとどうでもいいけど、ここに出てくる子たちってお互いを苗字で呼ぶらしい。

加賀美藤乃なら「加賀美」だし犬童忍なら「犬童」となる。

「忍ちゃん」ではなく「犬童ちゃん」

軍のしきたりなのかな。

 

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まとめ

世界観、キャラともにとても気に入った一冊。

犬童が可愛い。とにかくかわいい。

やっぱりなんだかんだ主人公に惹かれる作品って結構楽しめる。

とにかく、表紙に惹かれた人は是非読んでみて。