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『フラグタイム』の随所に見られる「リアルすぎる」描写【アニメ化決定】

こんにちは、関空はるかです。

お久しぶりですね。

さて・・・。

 

アニメ化決定おめでとうございます!!!!!!!

 

いや~、まさか『フラグタイム』がアニメ化されるなんて思ってもみませんでした。

ただただ喜ばしいことです。

原作読破済みの作品は基本的にアニメ化されても見ないタチ(『citrus』をはじめ『やがて君になる』すらも見ていないのです)なんですけれども、この『フラグタイム』に関しては結構楽しみなことがありまして・・・。

それは、原作の随所で見られた「リアル」な描写をアニメでどう表現されるのか、という点。

この『フラグタイム』という作品は、時に恐ろしいほどのリアリティをもった作品だと私は思っていて、今回のアニメ化によってそれがどう反映されるのか楽しみで仕方ないのです。

というわけで今回は、百合界の名作『フラグタイム』のリアルな描写の数々を見ていき、そこからこの作品の真髄に迫ってみようと思います。

まだ『フラグタイム』を読んでいない人も、ぜひ見ていってね。

 

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あらすじ

はじめに『フラグタイム』のあらすじをさくっとおさらいしておきましょう。

以下、1巻裏表紙からの引用です。

3分間だけ、あなたのこと好きにさせて?

誰とも関わりたくない、関われない。

人付き合いが苦手な美鈴。

ある日、クラスいちの美少女・村上さんに秘密がバレてしまって―?

つまり、

  1. 3分間だけ時間を止める能力を持つ、引っ込み思案の女の子
  2. ひょんなことで能力の存在を知った、社交的な優等生キャラの女の子
  3. 秘密(能力)を共有する

そんなお話です。

憧れの人を独占したいという気持ち

バレバレだよ

やきもち妬いているんでしょ

1日に3分間だけ時間を止めることができる能力」を持つ森谷美鈴は引っ込み思案で友達もいない女の子。

そんな彼女の能力がきっかけでクラスの中心的人物の美少女・村上さんと話すようになります。

 

しかし彼女が村上さんと一緒になれるのは時間を止めている3分間だけ。

普段の学校生活の中では関わりのない時間をお互い過ごしているのです。

でも今までろくに友達も作っていなかった美鈴にとっては、自分に興味を持ってくれる人が出来てめちゃくちゃ嬉しい・・・。

だから彼女は村上さんに振り向いてもらえるように必死です。

でも気の利いたことの出来ない、あるいはそういったことに慣れていない彼女は、あらゆる場面で「間違えたふりをして」時間を止めてしまいます。

でも村上さんにはそれがバレていて・・・。

それで上のセリフをつぶやかれてしまうわけです。

 

なんかにこじつけて仲良くなりたい人と一緒にいたい、と考えたことのある人にとっては「あーなんかこういうのわかるわ・・・」と感じるのではないでしょうか。

ましてはそれがバレるときと来たら・・・。

逃げ出したい!!!!!

すごい疲れる・・・

人と一緒の時 時間が止められないのがこんなに息苦しいなんて

久々すぎて思い出せない

美鈴が村上さんとその友達グループと一緒に昼食をとるシチュエーション。

・・・考えただけでもゾッとしますね。

自分とは全く違う人間と一緒に食べる飯ほどマズイものはありません。

村上さんのイケイケ系の友達から話題を振られてもなかなかうまく応えることの出来ない美鈴。

もう、見ているこっちまで息苦しくなりました。

新しい友達

あれ?

私フツーにしゃべれてる

村上さん以外の人と・・・

私が一番「これ!!!!」って思ったのがこの場面。

今までベッタリと仲良くなっていた人とは別のグループと仲良くなってみて、初めて分かる自分というものがあります。

あの子と一緒にいたいんだけどこの時間はこっちのグループに引き込まれそうだ・・・なんてことも子供の時はよく経験したものです。

 

そして自分のことだけではありません。

ちょっと離れてみてはじめて気づく、あの子のいいところだったり悪いところだったりもあるんです。

美鈴もこの場面で、唯一無二のものだと思っていた村上さんとの関係が、実はどこにでもある友達関係のひとつではないかと思い始めます。

思いをぶつけるシーンでも

みんな見てる

村上さんだけじゃない

私のことも

美鈴が心を決めて、村上さんに思いをぶつけるシーン。

互いの本音同士がぶつかるアツい場面ですが、 それに水を差すように描かれているのが周辺の生徒の反応です。

物語の見せ場ともあろうこの場面でも、二人を取り巻く生徒たちはさながら野次馬のようであり、「え、なになに・・・??」と訝しげな目線を向けるものや、「先生を呼んできて!」と冷静な対応をするものなど様々。

まるで、「現実だったらせいぜいこんなところよね」といわんばかりではありませんか!

「リアル」描写の意義

このように『フラグタイム』には、やや過剰と言えるくらいの「リアル」描写が見受けられるんです。

でもなぜこんな描写があるんでしょうか。

そこで、「これらの描写が作品にもたらすものってなんだろう?」って考えてみました。

そして、その答えのヒントとなったのが、2巻の作者コメント。

他人のことを知るものも

自分のことを晒すのも

怖くて仕方がない頃は、

色んなものに縛られ

動きにくくなっていました。

自分さえ周りを受け入れられれば

周りも自分を受け入れてくれることを

昔の自分に知ってほしいと

思いながら描きました

これまで挙げてきた「リアル」描写で描かれているのは、「やったら恥ずかしい失敗」だったり、「あんまり思い出したくない苦い経験」だったりと私は考えています。

だから、『フラグタイム』は時々ちょっと読んでて(もちろいい意味で)いたたまれない気持ちになるんですよね。

しかしそういう経験こそが、いちばん大切なものを得るただ一つの手段である、と『フラグタイム』では述べられているように思います。

 

村上さんに振り向いてもらうために時間を止めちゃったり、あるいは自分の思いを村上さんにぶつけたいために人目をはばからずに告白したり・・・。

こんなことが出来たのは、美鈴が愚直なまでにまっすぐなキャラクターだからです。

そしてそれが最後に大きな実を結ぶことになります。

様々な創作や武勇伝を通して、私達はいつしかスマートでかっこいい生き様を目指すようになりました。

そうして過去の経験や思い出を「恥ずかしいもの」として片付け、無意識の間に不自由に生きてしまっていた私たちに、「まっすぐでいること」を思い出させてくれるのが『フラグタイム』という作品です。

まとめ

なんだかんだ森谷美鈴というキャラクターの愚直さにこの作品の魅力が凝縮されているように感じます。

どんな言動でも「主人公だから」という理由でいい方向に転がってしまうような描写が目立つ作品が多いなかで、こういう恥ずかしさと青臭さを持つ作品はちょっと新鮮。

逃げているようで実はしっかり人と向き合っている美鈴というキャラの魅力に、読めば読むほど気づいていきました。

 

というわけで、『フラグタイム』という作品に対して私が考えていたものをダラッと書いてみました!

まだ読んだことのない人はぜひ一度その手にとって魅力を感じ取ってみてね。

それでは!!